【労働衛生(有害業務に係るもの)】局所排気装置…5日目
今回は、労働衛生の分野の「局所排気装置」について説明していきます。
局所排気装置とは
局所排気装置とは、作業者に有害物質がばく露される前に、発生源の近く(局所)で、有害物質を吸引・除去する装置をいいます。
局所排気装置の基本構成
局所排気装置はいかのパーツで構成されます。
①フード
有害物などの汚染空気を吸引して、装置内に導く
②吸引ダクト
吸引された汚染空気を排気口に運ぶ
③空気清浄機
ダクトで運ばれてきた汚染空気中の粉じんやガスを除外し、正常空気として排出させる。
④ファン(排風機)
フードに空気を吸う力を与える。
⑤排気ダクト
吸引された汚染空気を排気口に運ぶ
⑥排気口
汚染空気を吸引して外部へ排出する。
フードの種類
囲い式
・カバー型
発散源を囲って覆うもの。
・ドラフトチャンバー型
・ドラフトチャンバー型 職場のあんぜんサイトより |
作業口だけを残して周りを囲む。手や工具を差し入れて作業する。
・グローブボックス型
・グローブボックス型 職場のあんぜんサイトより |
両手が差し込める穴の付いた囲い。
外付け式
・ルーバー型
ルーバー型 職場のあんぜんサイトより |
ルーバーを入れて一定方向に気流を吸引しやすくしたもの。
・グリッド型
グリッド型 職場のあんぜんサイトより |
作業台そのものをフードとしたものです。
・スロット型
スロット型 職場のあんぜんサイトより |
フードの開口面を細くすることで吸引風速を高めたもの。
レシーバー型
・キャノピー型
キャノピー型 |
発散源の熱を利用したもの。
・グラインダー型
グラインダー型 |
発散源から飛散速度を利用したもの。
練習問題(1)
局所排気装置の基本的な構成に関する次の文中の[ ]内に入れるAからCの語句の組合せとして、正しいものは1~5のうちどれか。
「局所排気装置は、有害物の発生源の近くにフードを設けて定常的な吸引気流をつくり、有害物が拡散する前に吸引除去するものであり、空気清浄装置を付設した場合の基本的な構成は、発生源の側から順に次のとおりである。
フード→吸引ダクト(枝ダクト→主ダクト)→[ A ]→[ B ]→[ C ]→排気口」
答え
(3)〇…局所排気装置は、有害物質を発生源に近い場所で吸引気流を起こしてフードで吸引、最後はダクトで排出させる、ばく露抑止に効果的な装置である。有害物質は、フードから吸引ダクトを通り、空気清浄機で清浄化される。清浄化された空気はファンから換気ダクトを通り排気口から屋外へ廃棄される。
練習問題(2)
局所排気装置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)ダクトの形状には円形、角形などがあるが、その断面積を大きくするほど、ダクトの圧力損失が増大する。
(2)フード開口部の周囲にフランジがあると、フランジがないときに比べ、気流の整流作用が増し、大きな排風量が必要となる。
(3)スロット型フードは、作業面を除き周りが覆われているもので、囲い式フードに分類される。
(4)キャノピー型フードは、発生源からの熱による上昇気流を利用して捕捉するもので、レシーバー式フードに分類される。
(5)空気清浄装置を付設する局所排気装置を設置する場合、排風機は、一般にフードに接続した吸引ダクトと空気清浄装置の間に設ける。
答え
(4)
〇…問題文の通り。
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