【関連法令(有害業務に係るもの)】特定化学物質障害予防規則・・・3日目
今回は、関係法令の分野の特定化学物質障害予防規則について説明していきます。
特定化学物質とは
特定化学物質とは、安衛法が特に定めた化学物質で、危険度に応じて第1~第3類に分類されます。
・第1類物質(7種類)
危険度が極めて高いもの。製造に厚生労働大臣の許可が必要。ジクロルベンジジン、ベリリウム、ベンゾトリクロリド
・第2類物質(36種類)
第1類に次いで危険度が高い。ベンゼン、コールタール、シアン化水素など
・第3類物質(9種類)
この中では、危険度が最小。第1類、第2類で義務化されている規制が、第3類では外されることが多い。硝酸、硫酸、塩化水素
特定化学物質の処理
特定化学物質は、除じん方法、排ガス処理、排液処理、残さい物処理・ぼろ等の処理など、用後処理が細かく決められている。
特定化学物質の製造・取扱い
①第1類の取り扱いは、原則、密閉設備、局所排気装置(囲い式フードに限る)
プッシュプル型換気装置のいずれかを設置しなければなりません。
②第2類の「製造」は、密閉式の構造でなければならない。「取扱い」に際し、粉状の物は湿潤な状態にすること。そうでない場合は、隔離室で遠隔操作が求められる。
プッシュプル型換気装置のいずれかを設置しなければなりません。
②第2類の「製造」は、密閉式の構造でなければならない。「取扱い」に際し、粉状の物は湿潤な状態にすること。そうでない場合は、隔離室で遠隔操作が求められる。
特定化学物質の管理
特定化学物質の管理は、以下のように定められています。
クロム酸、ヒ素等の特別管理物質の記録は、保存期間が長い(30年間)。
・定期自主検査
局所排気装置、プッシュプル型換気装置、除塵装置、排ガス処理装置
排液処理装置は、1年以内ごとに1回、
定期的に自主検査をしなければならない。
・点検
これらの装置を
①初めて使う時、
②分解して改造・処理
②分解して改造・処理
したときなどに、点検が必要。項目は定期自主検査と同じ。
・休憩室
作業場以外の場所に設ける(ただし、第3類には適用されない)
・作業環境測定の義務
第1類物質、第2類物質は、6ヶ月以内ごとに1回、
特定化学物質の濃度を測定しなければならない。
記録は、3年間保存。
クロム酸、ヒ素等の特別管理物質の記録は、30年間保存。
第3類物質は、作業環境測定の義務がない。
・特定化学物質作業主任者
特定物質を取り扱う作業に当たって、
特定化学物質作業主任者を選任する必要がある。
障害を予防するための作業方法を決め、労働者を指揮する。
関係装置等について、1ヶ月を超えない期間ごとに点検する。
保護具の使用状況を監視する。
練習問題
次の特定化学物質を製造しようとするとき、労働安全衛生法に基づき、厚生労働大臣の許可を受けなければならないものはどれか。
(1)エチレンオキシド
(2)ベリリウム化合物
(3)オルト-フタロジニトリル
(4)ベータ-プロピオラクトン
(5)砒素化合物
答え
(2)〇…あらかじめ厚生労働大臣の許可を受けなければ、製造することができないものとは、第一類物質で、ベリリウム化合物が該当する。
※ベリリウムとは
ベリリウムはおもに合金の硬化剤として利用され、その代表的なものにベリリウム銅合金がある。また、非常に強い曲げ強さ、熱的安定性および熱伝導率の高さ、金属としては比較的低い密度などの物理的性質を利用して、高速航空機やミサイル、宇宙船、通信衛星などの軍事産業や航空宇宙産業において構造部材として用いられる。WikiPediaより
ベリリウムは人体への曝露によってベリリウム肺症もしくは慢性ベリリウム症として知られる深刻な慢性肺疾患を引き起こすようにきわめて毒性の高い物質であり、水棲生物に対しても非常に強い毒性を示す。また、細胞組織に対して腐食性であるため、可溶性塩の吸入によって化学性肺炎である急性ベリリウム症を引き起こし、皮膚との接触によって炎症が引き起こされる。WikiPediaより。
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