今回は、労働衛生の分野の「放射線による健康障害」について説明していきます。
放射線の種類と症状の種類
放射線のうち、物質内で電離作用を起こすものを電離放射線、起こさないものを非電離放射線といいます。
電離作用とは、放射線が物質に当たった際に、その通り道の物質にエネルギーを与えていきます。与えられたエネルギーにより、通り道の物質の電子が弾き飛ばされます。
環境省HP 第3章 放射線による健康影響 | 3.2 人体影響の発生機構より |
被爆の影響
放射線障害には、身体的影響と遺伝的影響があります。
身体的影響は、被ばく後数週間以内に現れる造血器障害や皮膚障害、消化管障害(早期障害)、また、長期間潜伏して発症する白内障や発がん(晩発障害)などがあります。
早期障害
➡造血器障害、皮膚障害、消化管障害
晩発障害
➡白内障、発がん
練習問題
電離放射線に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)電離放射線を放出する元素には、ウラン、ラジウムなど天然に存在するものと、コバルト60、イリジウム192など人工的に作られたものがある。
(2)エックス線は、通常、エックス線装置を用いて発生させる人工の電離放射線であるが、放射性物質から放出されるガンマ線と同様に電磁波である。
(3)電離放射線の被ばくによる白内障は、早期障害に分類され、被ばく後1~2月後に現れる。
(4)電離放射線の被ばくによる発がんは、晩発障害に分類され、被ばく後10年以上たってから現れることもある。
(5)電離放射線の被ばくによる発がんと遺伝的影響は確率的影響に分類され、発生する確率が被ばく線量の増加に応じて増加する。
答え
(3)
✕…被ばくによる白内障は、潜伏期間が長く晩発障害に分類されます。
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