【労働衛生(有害業務に係るもの)】作業環境測定/作業管理・・・5日目
今回は、労働衛生の分野の「作業環境測定/作業管理」について説明していきます。
作業環境測定とは?
作業環境測定は、労働者の健康管理の為、定期的に実施するよう義務付けられています。
作業環境測定の種類
作業環境測定には、A測定とB測定があります。
・A測定
A測定 |
A測定は、平均的な濃度分布を測る測定方法です。
・B測定
B測定 |
B測定は、最も高い「時」と「場所」の濃度を測る
作業環境測定の評価
作業環境測定の評価は、第1(良)、第2(可)、第3(改善の余地あり)
のどれかに区分されます。ここでいう管理区分とは評価の結果のことです。
・第1管理区分
状態
ほとんど(95%以上)の場所で、有害物質濃度管理濃度を超えない。
講ずる措置
現在の管理の継続的維持に努める(現状維持)
・第2管理区分
状態
有害物質濃度の平均値が管理濃度を超えない
講ずる措置
施設、設備、作業工程、作業方法の点検を行い、作業環境を改善するための必要な措置を講ずるよう努める。(第1管理区分を目指す努力義務)
・第3管理区分
状態
有害物質濃度の平均が管理濃度を超えている
講ずる措置
①設備、施設、作業工程、作業方法の点検を行い、作業環境を改善するために必要な措置を講ずる。
②有効な呼吸用保護具を使用する。
③産業医などが必要と認める場合、健康診断を実施、その他労働者の健康保持のための必要な措置を講ずる。
有害物質の暴露防止のための基本的な方法
①有害物質の製造・使用を中止し、有害性の少ない物質へ転換する。
②有害な生産工程、作業工程を改良する。
③有害物質を取扱う設備を密閉化または自動化する。
④有害な生産工程を隔離または遠隔操作する。
⑦作業行動を改善し、二次発じん・異常ばく露を防止する。
②有害な生産工程、作業工程を改良する。
③有害物質を取扱う設備を密閉化または自動化する。
④有害な生産工程を隔離または遠隔操作する。
⑤局部排気装置またはプッシュプル型換気装置を設置する。
⑥全体換気によって有害物質を希釈する。
⑥全体換気によって有害物質を希釈する。
⑦作業行動を改善し、二次発じん・異常ばく露を防止する。
練習問題
厚生労働省の「作業環境測定基準」及び「作業環境評価基準」に基づく作業環境測定及びその結果の評価に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)評価の指標として用いられる管理濃度は、個々の労働者の有害物質へのばく露限界を示すものである。
(2)A測定は、原材料を反応槽へ投入する場合など、間欠的に大量の有害物質の発散を伴う作業における最高濃度を知るために行う測定である。
(3)B測定は、単位作業場所における気中有害物質濃度の平均的な分布を知るために行う測定である。
(4)A測定の第二評価値及びB測定の測定値がいずれも管理濃度に満たない単位作業場所は、第一管理区分になる。
(5)B測定の測定値が管理濃度の1.5倍を超えている単位作業場所は、A測定の結果に関係なく第三管理区分になる。
答え
(1)
✕…管理濃度は作業環境測定結果を評価する指標として定められたもので、個々の労働者の有害物質へのばく露限界を示すものではない。
(2)
✕…有害物質の発散を伴うような原材料の投入、点検作業が間けつ的に行われる作業や発生源に近接した作業位置の最高濃度の測定はB測定の結果により評価される。A測定は単位作業場所における有害物質の気中濃度の平均的な分布測定のことである。
(3)
✕…上記の通り
(4)
✕…A測定の第二評価値とB測定値がいずれも管理濃度に満たない単位作業場所は第二管理区分である。
(5)
〇…設問の通り
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