2019年10月21日月曜日

【労働衛生(有害業務に係るもの)】金属による健康被害(5日目)

最終更新日:2020年1月7日

【労働衛生(有害業務に係るもの)】金属による健康被害


今回は、労働衛生の分野の「金属による健康被害」について説明していきます。


金属による健康被害


金属による健康被害


粉じんやヒュームとなった金属を、長期にわたり、繰り返し吸引すると、健康障害を引き起こします。

健康被害を引き起こす金属の種類


中毒や疾病を引き起こす金属は、それぞれの物質ごとに違った臓器に健康障害を起こします。


金属名健康障害
代謝異常、貧血末梢神経障害
水銀(金属水銀)脳・神経障害、精神障害、肺炎、口内炎
水銀(有機水銀)脳・神経障害痺れ感、視野狭窄、失調
水銀(無機水銀)脳・神経障害、尿細管障害
カドミウム犬歯の黄色環、上気道炎、肺炎、肺気腫
クロム鼻中隔穿孔、皮膚障害、鼻粘膜潰瘍
マンガン脳損傷、筋肉のこわばり、ふるえ
ベリリウム皮膚炎、皮膚潰瘍
ヒ素角化症、黒皮症、皮膚障害、鼻中隔穿孔
亜鉛、銅金属熱
二硫化炭素精神障害、動脈硬化



練習問題


金属による中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1)金属水銀中毒では、感情不安定、幻覚などの精神障害や手指の震えなどの症状がみられる。

(2)鉛中毒では、貧血、末梢神経障害、腹部の疝痛などの症状がみられる。

(3)マンガン中毒では、指の骨の溶解、肝臓の血管肉腫などがみられる。

(4)カドミウム中毒では、上気道炎、肺炎、腎障害などの症状がみられる。

(5)砒素中毒では、角化症、黒皮症などの皮膚障害や鼻中隔穿孔などの症状がみられる。

答え


(3)
✕…マンガンは大脳基底核を変性させ、歩行困難や脳の硬直、震えなどパーキンソン病に似た症状を起こさせる。指の骨の溶解や肝臓の血管肉腫がみられるのは塩化ビニルのばく露によるものである。



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